ふき取りツール

正しい検査は「正しいサンプリング」から!

食品には環境中に存在する微生物が直接・間接的に付着し、また混入する可能性があり、コントロールを怠ると有害微生物の増殖を招き、食中毒の危険や腐敗・変敗といった品質劣化を引き起こし、食品の安全性、保存性、衛生的品質に関して重大な支障をきたすことにつながります。加工食品の製造者が食品を製造加工し調理する工程に存在する微生物の状況(微生物叢)を知ることは非常に重要といえます。食品の製造や加工の工程およびその環境モニタリングを行うツールとして、ふき取り検査は不可欠です。ふき取った後に検液を各種培地に分注し評価します。


目的は環境・機器表面の微生物管理

菌数の数値管理:
ATP測定のような即応性はありませんが、生菌数や大腸菌群数等の菌数数値管理が可能です。

洗浄効果の確認:
重点洗浄部位の洗浄効果の確認を行い、規格値を設定し日々のトレンド管理を行います。

洗浄作業の検証:
洗浄対象の清浄度を測定し、規格値を逸脱した場合、汚染箇所の特定等是正措置を講じます。

使用方法

1.余剰液の除去

綿棒を取り出す際、くびれ部等を圧迫して余剰の希釈液を絞ります。

2.拭き取り

平面であれば10×10cm(100cm2)の領域を300±30gの力で縦横斜めに満遍なくふき取ります。
取手のような100cm2のふき取りが困難な場合においては、誰が行っても同じようにふき取りができるようにふき取る方法のマニュアル化が必要です。
用具類や機械部品などの不定形の対象物は、全体を満遍なくふき取ります。ふき取った箇所は、再洗浄またはアルコール綿等で拭います。

3.振盪

綿棒を容器に戻し左右に10回程振盪しふき取り物を振り出します。ボトルの柔軟性を利用して外側から指で揉みだしても構いません。

4.分注

キャップ上部のヒンジ蓋を開け直接培地等に分注します。

5.培養

検液を一般生菌数、大腸菌、大腸菌群、黄色ブドウ球菌等の目的に合った培地に分注し、培養後、菌数を評価します。

6.結果の評価

基準を設定し、衛生管理の一環としての適正判断やデータの蓄積を行います。小規模工場や販売店舗・飲食店舗厨房などの検査施設を有していない施設や、検査機関等が実施する工場査に伴う検査では、ふき取り後検査までの保管が検査結果にどのような影響を与えるかとうことも重要な事項です。もちろん、保管温度と共に保管時間の長短により影響を受けることは容易に想像できます。当社の調査結果では、ふき取り菌数が非常に多い条件の下での事ですが、菌の種類によっては低温での保管であっても保管時間が24時間以上経過すると半数近くの菌数まで落ちることが確認されており、ふき取り後の迅速な検査が望まれます。しかしながら、継続して汚染状況を菌の消長傾向で管理(トレンド管理)する上では特に支障はないようです。ふき取り後の培養がすぐに行えない場合には、このようなふき取り検査の特性も踏まえた上での検査の実施が望まれます。

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